御成敗式目

令和4年7月1日

諏訪神社ブログ更新

さて、長らく更新していなかったブログを今日より更新いたします。

先ず、トップバッターで権禰宜新名紀夫が執筆いたします。宜しくお願いします。

テーマ 「御成敗式目」

 現在、NHKで放送されている大河ドラマ「鎌倉殿の13人」皆さんご覧になっていますか?私も毎週楽しみで見ています。小栗旬さん演じる北条義時かっこいいですね!これからは源頼朝が亡くなり、いよいよ北条義時の本領発揮といったところでしょうか。楽しみです。

 扨、本日お話しさせていただくのは、北条義時のお話しではなく、義時の息子北条泰時のお話をさせていただきます。「鎌倉殿の13人」では坂口健太郎さんが演じていらっしゃいますね。

 この北条泰時は父親の義時の跡を継ぎ、3代目執権として活躍します。そして、泰時の時代に北条家はいよいよ隆盛を高めていきます。

 泰時の功績は多くありますが、私は一番の功績は「御成敗式目」の制定だと思っています。

 「御成敗式目」は貞永元年(1232)に制定された式目(法律)です。この式目は武家政権初めての式目で後々に続く武家政権からも参考にされた素晴らしい式目であり、全部で51か条からなっています。内容は様々な戒めや決め事が記してありますが、その第1条は神様(神社)の事が記されています。

第一条 – 可修理神社専祭祀事(神社を修理して祭りを大切にすること)

神は敬うことによって霊験(れいげん)があらたかになる。神社を修理してお祭りを盛んにすることはとても大切なことである。そうすることによって人々が幸せになるからである。また、供物(くもつ)は絶やさず、昔からの祭りや慣習をおろそかにしてはならない。関東御分国(かんとうごぶんこく)にある国衙領(こくがりょう)や荘園(しょうえん)の地頭と神主はこのことをよく理解しなければならない。神社を修理する際に領地を持つ神社は小さな修理は自分たちで行い、手に負えない大きなものは幕府に報告をすること。内容を調べた上で良い方法をとる。

う~ん、素晴らしいですね!さすが北条泰時です。私がこの「御成敗式目」に出会ったのは小学生の時です。その時の感動は今でも覚えています。

 実際に、大河ドラマで描かれているように初期の坂東武者は荒々しく式目とはほぼ無縁の日常でした。しかしながら、武家政権が樹立されると、しっかりとした取り決めを定めないといけなくなった訳です。そこで制定されたのがこの「御成敗式目」です。

 その「御成敗式目」の第一条に神様(神社)の事が記されているとは大変注目されます。

神様(神社)を大切にするということは日本人の大事な根幹だと「御成敗式目」からも学ぶ事ができます。

 現代は様々な価値観があり「多様性」という言葉がよく言われます。しかしながら、日本人として何が大事なのかをこのような時代だからこそ見直してもよいのではないかと思います。「御成敗式目」一度手に取り読んでみてはいかがでしょうか。