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家庭のおまつり(神棚の祀り方)
我が国では、人は亡くなると祖先の御霊(みたま)と共に一家をお守りする守護神になると考えられてきました。
神葬祭はこの霊魂観に基き、故人の御遺徳を偲び、御霊が安らかにお鎮まりになることを祈念して執り行われます。
また、我が国には地域ごとに独特の葬送儀礼があります。
神葬祭はこうした地域の習俗をも基盤としており、地域ごとに異なる祭儀が行われます。
本項では長崎の習俗に基いた神葬祭について、特に当神社がご奉仕する神葬祭の説明をします。
神葬祭は通夜祭に始まり、恒例、臨時の各祭典があります。
ここでは、通夜祭から忌明け(納骨祭)までを「神葬祭」、以後の祭儀と日、月、年ごとの祭儀を「祖霊祭」としてご説明します。
※神道では、人が亡くなることを「帰幽(きゆう)」と言います。以後、この言葉を使います。
神葬祭の説明
帰幽後の祭儀
帰幽された後、納骨までの弔儀・祭儀を執行順にご説明します。 1.帰幽後、その由を神棚と御霊舎(みたまや)に奉告し、神棚の前面を白紙で覆います。(五十日祭まで)
2.喪主または葬儀業者を通じて、神社へ葬儀の申込みをします。
通夜祭開始までに履歴書をご用意いただきます。
3.通夜祭並びに遷霊祭(帰幽当日又は翌日)
通夜祭と遷霊祭を同時に行います。
通夜祭は、葬儀を行うまでの間、故人に対して生前同様の霊を尽くし、手厚く奉仕する祭儀です。
遷霊祭は、故人の御霊を靈璽(れいじ)に遷す祭儀です。
故人に対して最後のお別れを告げる重儀です。
5.火葬祭(葬場祭当日・火葬場)
火葬前に、ご遺体と最後のお別れをします。
6.帰家祭(火葬祭終了後)
葬祭が滞りなく終了したことをご霊前に報告する祭儀です。
7.毎十日祭(帰幽の日から十日、二十日、三十日、四十日、五十日)
御霊を慰め、安らかにお鎮まりいただくことを祈る祭儀です。
五十日祭は「忌明け」の祭儀でもあり、終了後に納骨をし、直会を開くのが慣例となっています。
9.納骨祭(五十日祭後・墓所)
納骨をし、永く家を御守護くださるよう祈る祭儀です。
※神道ではお墓のことを奥都城(おくつき)といいます。
【靈璽と御霊舎】
御霊をお遷しするものです。
祖先代々の靈璽をお祀りする祭壇です。
神葬祭の作法
神葬祭のお参りは忍手(しのびて)で二拝二拍手一拝でお参りすることに変わりありませんが、亡くなられた方を忍び慎む心を表すという意味から、二拍手のときは音を立てないようにします。
これを「忍手」といいます。
熨斗袋の準備の仕方
白黒の水引を選び、表書きは「玉串料」あるいは「御霊前」と書きます。市販の物には蓮の絵がついた仏式用が多いようですが、それがないものを選びましょう。
包みの裏の上下のたたみ方は、弔事では上の折り返しを上にして目を伏せた悲しみの状態を表します。
※慶事の場合は逆に、ますます運が上がりますようにと、下側の折り返しを上にします。
神葬祭の奉仕料(初穂料)
神葬祭の奉仕料 | □ 通夜祭・遷霊祭(神職2名)・葬場祭(神職2名)・火葬祭(神職1名)・帰家祭(神職1名) 合計奉仕料 300,000円より □ 毎十日祭・年祭等(神職1名) 20,000円より |
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※神職の奉仕数増員の場合は、別途初穂料をお願いする事がございます。
※各祭典への神職の出向は、自家用車・タクシーでの送迎手配をお願い致します。
※葬場祭には、故人の履歴が必要になりますのでご準備下さい。
通夜祭前までにご記入いただくようにしております。
※ご不明な点は、当神社にお気軽にご相談下さい。
祖霊社への合祀のご案内
当神社の祖霊社には江戸時代末期の長崎奉行松平康平大人命をはじめ、諏訪神社歴代宮司、長崎の神道家のご祖先をおまつり申し上げております。
ご希望により、五十日祭終了後、故人の御分霊をこの祖霊舎におまつりすることができます。
祖霊社では例年春分の日と秋分の日に、ご遺族のご参列を頂きまして、祖霊を慰めご遺徳に感謝する祭典をとり行っております。(ご案内有り)
祖霊祭(祖先のおまつり)
我が国では古くから、祖先の霊はこの世にとどまって子孫を守ってくれると信じられてきました。
今在る子孫は神様とともに私たちをいつも見守って下さっているご祖先を、親しみを込めて祀りすることが大切です。
以下に御霊舎での日々のお参りと、恒例・臨時の祭儀についてご説明します。
(※各祭儀名の後の括弧内には期日と場所を示しています。)
恒例の祭儀
日毎・月毎のおまいりです。
日供 | 御霊舎 毎日のお参りです。 神棚へのお参りと同様に、二礼二拍手一礼の作法です。 拍手は音を立ててもかまいません。(参考:忍び手) |
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月次祭 | 御霊舎 月に一度のお参りです。 お供え物を増やすなど、普段よりも丁重に行います。 |
春季・秋季 霊祭 |
祖霊社(当神社内)と御霊舎 境内末社の祖霊社にお祀りする松平図書頭と神道家の祖霊の御霊をお慰めする祭典です。 各ご家庭におきましてもお参りをなさって下さい。 |
臨時の祭儀
節目の期日に行う祭儀です。
初盆祭 | 五十日祭後、最初のお盆・御霊舎 忌明け後、最初のお盆に御霊をお慰めする祭儀です。 |
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式年祭 | 御霊舎 一定の年忌に際して御霊をお慰めする祭儀です。 一年祭・五年祭・毎十年祭を行うのが通例です。 |