秋分祭・祖霊社祭 (それいしゃさい)

秋分祭に先立ち、斎庭において秋季皇霊祭遙拝式が行われました。
秋分祭 祓いを受ける神道家の皆さま
祖霊社祭 玉串を捧げお参りする神道家の皆さま

9月22日(火曜) 晴れ 午前10時 拝殿において秋分祭、祖霊社前にて祖霊社祭を神道家の皆様のご参列を賜り行いました。秋分祭は、皇居皇霊殿の秋季皇霊祭に合わせ、歴代天皇の御神霊をお慰めする祭典です。祖霊社は、もともと文化5年(1808)イギリスの軍艦、フェートン号の長崎港入港事件の責任をとって自害した、第82代長崎奉行松平図書頭康平(まつだいら・ずしょのかみ・やすひら)の御霊をまつるため、長崎総町の総意のもと文化6年(1809)に建立され、「図書明神」「康平社」と呼ばれました。その後、諏訪神社再興当時の第5代長崎奉行長谷川権六藤正の御霊及び神道家の御霊を合祀し、明治8年(1875)官許を得て「祖霊社」と改称されました。以後、諏訪神社の神職を始め神道家の御霊を合祀し、彼岸の中日、春分・秋分の日に祖霊社祭として御霊なごめ祭を行っています。

現在、諏訪神社の神道家は神道式納骨殿「諏訪の杜祖霊殿」の契約者も登録いたしますので年々数が増え、多くの参列者のもと行われますが、本年はコロナの影響を受け参列者数を減らして行いました。来年はまた多くの御参列をお待ち申し上げたいと思います。

次回は、10月1日 事始神事をお届けします。皆さんもご周知の通り、本年の長崎くんちは、コロナ禍の影響を受け、お下り・お上り及び奉納踊りが取り止めとなり、「例大祭」10月8日に関わる神事のみを行うこととなりました。例年と違った神事形態となりますが、詳細にお届けしていきます。神主М

東照宮秋季大祭

参列する神社庁職員の皆さま

9月17日(木曜) 午前10時 曇り 諏訪神社の末社東照宮の秋の大祭を神社庁職員の皆様のご参列を賜り行いました。

東照宮は、承応元年(1652)僧玄澄が長崎奉行黒川与兵衛、甲斐庄右衛門等の援助により現在の立山町に安禅寺を建立し、その境内内に勧請されたのがはじまりです。後の寛文13年(1673)時の長崎奉行牛込忠右衛門勝登により現在地に建立され、社殿の他に御霊舎・仁王門・鐘楼等が備わり、これ以後代々の長崎奉行を始め庶民の崇敬を集めました。幕末には勝海舟が参拝し脇差を奉納しています。(現在諏訪神社所蔵)明治元年(1867)東照宮と改め、その後社殿等が荒廃し一時諏訪神社に合祀されましたが、明治30年(1897)社殿が再建され、諏訪神社の末社となり現在に至っています。東照宮祭は年二回、4月17日は家康公の命日(享年75歳)と9月17日に行われ、家康公を始め歴代将軍の御霊を慰め、長崎の繁栄と市民の幸せをお祈りしています。

家康公は、生涯において数々の名言を残しています。このコロナ禍にあって、皆様にご紹介したい名言を見つけました。「人の人生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。心に望みおこらば困窮したる時を思いだすべし。堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つことばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。」要約すると、人生には制約や規則が付いて回り、将来の展望も開けないと思う時すらあります。そのような、不自由な中でも、出来ることを行い、良いことは見つかります。世の中には悲惨な状況の人もたくさんいます。コツコツと出来ることをやる。今の状況で良いことを大事にする。そして、時間が経てば必ずその傷はいやされ、振り返ればそんな時もあったなと思える時が来ると、家康公が教えています。世界中が混迷するコロナ禍において、希望を捨てずに「今、出来ることをやる」これに尽きると思います。

次回は、9月22日 秋分祭・祖霊社祭をお届けします。神主М

湯立祭・敬老の日祭

湯立神事で湯笹のお祓いを受ける園児たち
玉串を捧げお参りする湯立講社の皆さま

9月15日(火曜) 午前10時 晴れ 湯立祭に併せて敬老の日祭を行いました。今日のお祭りには、湯立講社の皆さまと斎庭(ゆにわ)前に諏訪幼稚園の園児たちも参列し湯立神事を見てもらいました。敬老の日祭では、お年寄りへの感謝と御長寿をお祈りいたしました。

さて敬老の日は、昭和29年(1951)9月15日を「としよりの日」としたのが始まりで、昭和41年(1966)「敬老の日」として祝日となり、平成14年(2003)祝日法の改正により第三月曜日を祝日として現在に至っています。多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日とされています。由来は飛鳥時代にさかのぼり、聖徳太子が身寄りのない病人やお年寄りの救済施設である悲田院(ひでんいん)を設立した日と伝えられ、日本では古くから高齢者に対する尊敬と感謝の気持ちを持ち、お年寄りをいたわってきました。

現代では、お年寄りの年齢が何歳からなのか判断するのが難しく、電車で席を譲ろうと思っても、素知らぬふりをされたりと苦い経験もありますが、私たちの大先輩でもあり、この豊かで平和な時代の礎を作ってくれた皆様に感謝の心をもって接していきたいと思います。

次回は、9月17日 東照宮秋季大祭をお届けします。神主М